« 一音節語をめぐって(その25) | トップページ | 一音節語をめぐって(その27) »

2024年5月 6日 (月)

一音節語をめぐって(その26)

「め」の一音節語としては、まず「目」がある。
人間の身体器官はもっとも身近でよく使う語だから、「目」のほかに「歯」、「手」、「毛」、「背」、「血」など一音節語が多い。
関西方言ではどれも声調的に発音する。

なかでも「目」は重要器官であるから、特によく使う。
広辞苑には、「目」を含む慣用句が「目が肥える」、、「目を見張る」、「目の中に入れても痛くない」など100近くも出ている。

「め」の一音節語としては、ほかに「芽」がある。
「新しく生じ、発展しようとするもの」という良い意味もあるから、「芽が出る」、「芽を摘む」などのように比較的よく使う。
ワカメは「若芽」などと書いて、縁起の良い食べ物と考えられている。

さらに現代語では一音節語とは言いにくいが、「女」がある。
「女神」、「女ねじ」、「大原女」などという。
「お=男、雄」と対立する。

自立語ではないが、「め」は接尾辞としての役割がある。
形容詞の語尾に付いて、その状態が軽いことをあらわす。
「軽め」、「薄め」、「深め」、「高め」などのように。
この「め」をあえて漢字で表記すると「目」になる。

そのほか、名詞の語尾に付いてそれを見下げていうことがある。
「こいつめ!」、「泥棒め」などのように。
また、古い言い方だが「それがしがこの宿の主人めでございます」など、自分を謙遜する働きもある。

現代語で「も」の一音節語は和語の「藻」と「喪」だけである
でも「喪」のほうは人の死と結びついているのでよく使う。
「喪に服する」とか「喪が明ける」とか。
葬送の儀礼を行うことによって人間は人間になった、という説があるくらいだから、「喪」は人にとって大切なことばである。

それから広辞苑には「も」は「まこと、正しい、もっともの意をあらわす接頭辞」「という解説も出ている。
あまり明確な認識はなかったけれど、そういえば「最寄りの交番に行ってください」とか「もはやこれまで!」という言い方はする。

これで「ま」行は終わりだけれど、「ま」行音で印象の残った事実が二つある。

ひとつは、「ま」行音一字で読む字音が少ない、という点である。
これには何か意味があるのだろうか?

もうひとつは接頭辞や接尾辞として機能する語が多い、ということである。
これは私にとって新しい発見だった。

|

« 一音節語をめぐって(その25) | トップページ | 一音節語をめぐって(その27) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 一音節語をめぐって(その25) | トップページ | 一音節語をめぐって(その27) »