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2018年7月 8日 (日)

土地の名 人の名(その14)

前回はやや尻切れトンボに終わった感がある。

名あるいは名前のことを考え始めると、疑問ばかりがどんどんふくらんでいって収拾がつかなくなるのだ。
困ったものである。

それでも懲りることなく、また気を取り直して考えはじめる。
今回もどうやらそんな雲行き。

創世記によれば人類の始祖である人間はアダムという。

この名は神さまが命名した。
創世記5章2節にそう明記されている。

ところが、事態はそうすっきりとは片付かないのだ。

この人のことをどう呼ぶべきか?
少なくとも7種類ある日本語訳の間でずいぶん異同がある。

はじめはこの最初の人間のことを単に「人」と呼んでいる。
この点はどの訳でも共通しているようだが、叙述が進むにしたがってこの人の呼び方にさまざまなバリエーションが生じてくる。

「彼」という代名詞を用いる場合、「男」という普通名詞を用いる場合、あるいは「アダム」という固有名詞を用いる場合など。
また、「アダム」という固有名詞の初出箇所も異なっている。

それぞれの訳書ごとにしかるべき考えがあって使い分けているのだろうけれど、では、それはどのような基準によっているのだろう?

ヘブライ語で表記された原始創世記では、この点どう表現されているのだろう?
神さまの創造のはじめから「アダム」(にあたるヘブライ語)で、統一されているのだろうか?

こんな幼稚な疑問は原書に当たればすぐ氷解することは分かっているのだが、いまからヘブライ古語を勉強するのも億劫だし…。

前回もお話ししたように、神さまが命名したのはアダムだけである。
奥さんのエバの名はアダムが付けた。

解説によるとエバは「いのち」の意味だそうだ。
そもそも「アダム」の語も、「土」あるいは「人」の意味だというから、初期の固有名詞は普通名詞の流用から始まったのかもしれない。

少し前に命名主はだれかを問題にした「エデン」という地名も、「平原」という意味だという。

固有名詞は個体識別の用を果たせばいいいのだから意味は不要なはずだけれど、やはり意味とのつながりは切ることができないようだ。

だとすれば、アダム、エバ夫婦の間に生まれた人類最初の子供であるカインとアベルの名も何らかの意味を持っているのではないかと思われる。

アダムとエバはどんな思いでこの子たちの命名をしたのだろう?
悪い癖でまたしても詮索したくなってくる。

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