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2017年9月10日 (日)

言語音の順序

考えてみると、人間はずいぶん多彩な前言語的音声を出すことができるものだなあ。
前回の記事を書いていて、われながらつくづく感心した次第だ。

わたしたちが日ごろ用いている言語音までは、この段階から紙一重、だろうか?
人間の言語は小鳥のさえずりから生まれた、という奇想天外な説をなす人もいる。

いつかもお話ししたように、日本語の言語音は世界でも最少の部類に属する。
音節数にして100ちょっとだ。

むろん日本語話者はこれ以外の言語音を出せないわけではない。
その証拠にちゃんと英語もしゃべれる。
英語には日本語では使わない言語音がたくさんあるのだ。

にもかかわらず、日本語話者は100ちょっとの言語音でやりくりしてきた。

よく言われることだけれど、言語音の種類が少ないことで日本語には同音異義語が多いというデメリットがある。
しかし、この点を除けば少ない言語音で豊かな言語表現ができるというのは、言語経済の理にかなったことだ。

筒井康隆さんの「残像に口紅を」も言語音が少ないという日本語の特徴があってはじめて可能になった小説だ。

日本語はその少ない言語音を五十音図という形で整理してきた。
かなという表音文字ができたことで五十音図が可能になった。

つくづくよく出来たマトリクスだと思う。
日本語の言語音の体系が一目瞭然だ.

五十音図のアイデアはインドや中国からもたらされたものらしいけれども、世界の諸言語でこれに類するものがあるのだろうか?
少なくとの英語の言語音を五十音図の方式では整理することはできない。

ところで、多数の語彙がある場合、これを一定の順序で配列しなければならない場合がある。
たとえば辞書を作る場合がこれにあたる。
何らかの順序がなければ、そもそも辞書を作ることができない。

それから多数の人間で構成される集団の名簿を作る場合もこれにあたる。

こんな時に五十音順が活躍する。
本当にありがたい。

五十音順のほかに、いろは順というのもある。
この順序による配列もむかしは結構使われていたようだ。

たわむれに五十音順の名簿をいろは順に組み替えてみるのもおもしろい。
新鮮な印象が感じられるかもしれない。

ラテン文字を採用している言語圏には、アルファベット順がある。
辞書も名簿もこの順で配列されている。

ただし、アルファベット順は文字の順序であり、音の順序ではない。
だから、綴りがわからないと辞書を引くことができない。

五十音順やいろは順は文字の順序であるとともに、音の順序でもある。

では、中国語の場合はどのような配列順になっているのだろう。
手元にある中日辞書はピンインの配列になっている。
つまり、アルファベット順になっている。

しかし、ピンインによる表記がわからない場合、あるいはピンインが導入される以前はどうしていたのだろう?
ちょっと気になる。

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