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2017年7月16日 (日)

最後の音

日本語の50音図の中でもっとも重要な文字あるいは音は何だろう?
少し前そんなナンセンスな問いを発したことがある。

その時、私はたわむれの答えとして「な」をあげた。
「な」は人間存在に直結した音だから、という理由でそう答えた。

いやいや、そうじゃない。
やはり50音図劈頭にあらわれる「あ」こそ最重要だ、という意見を述べる人もあった。
なるほどこれも傾聴すべき意見ではある。

では、50音図の最後につけたしのように置かれている「ん」はどうだろう?

「ん」は日本語の言語音の中で特殊な位置を占めているので扱いがむずかしい。

50音図の最後に置かれてはいるけれど、本当は50音図のマトリクスからは超然としている。
置く場所がないので、しかたなく最後に付け足した、というのが真相だと思う。
その証拠に、いろは歌には「ん」はあらわれない。

モーラ的には一つの単位だけれど、音節としては「ん」単独では成り立たない。
音声学的にも「ん」はさまざまなバリエーションがあるそうだ。

どうも一筋縄ではいきそうもない。
なんとなくうさんくさい。

そもそも「ん」をなぜ撥音というのだろう?
どこが撥ねるのだ?

という疑問があって調べてみると、「ん」や「ン」の文字が撥ねた形をしているからだそうだ。
促音などと違って、発音の特性とは何の関係もない。
何だかばかにされたような気分だ。

先にもお話ししたように、「ん」は日本語の音韻システムの中で特殊な位置を占めている。
開音節言語である日本語の中では特異な存在である。

そして、ちょっぴりとぼけたところがある。
そのために、ばかにされたような気分になることがある。

日本語では、「ん」は語頭に立たない。
しかし、ネットで調べてみると「ん」という名前の喫茶店がある。
しかも、チェーンなのか何軒もある。

お店に電話をすると、「はい、んでございます!」という返事が返ってくるのだろうか?
なんとなくとぼけた情景を想像してしまう。

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