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2017年1月 8日 (日)

色の名前(その4)

固有の色名、基本の色名という点で、白、黒、赤、青はひとつの重要なグループを形成している。
前回もお話ししたように、緑や黄や茶とは別格の色名である。

このことは少し前の形容詞語尾「い」の接着テストでも明らかだった。

実は、この点をもう少し補強する事実もある。

日本語では、事象の核心をあらわす接頭辞に「ま」がある。

たとえば、「真夏」、「真冬」という。
(なぜ、「真春」や「真秋」がないかについては、かなり以前にお話しした)

「真四角」、「まんまる」という。
中心のさらに中心のことを「まんまんなか」という。
(最近では、「どまんなか」という俗語のほうが優勢だが…)

この「ま」が基本4色名には問題なくつく。

しかし、「まみどり」はない。
「まむらさき」とも言えない。

「真っ黄色」は可能だけれど、「色」を付加する必要がある。
「真っ茶色」はどうだろう?
言えなくもないような気がするけれど、いずれにせよ「色」を付加しなければならない。

「まっしろ」、「まっくろ」、「まっか」、「まっさお」は別格である。
さすがに基本4色名だけのことはある。

日本語の場合、このような操作で4つの基本色名をきれいに抽出することができるのだが、他の言語圏では基本色名をどのように識別しているのだろう?
また、基本色名が何種類かという点も気になる。

バーリン&ケイによれば世界の普遍的な色彩語のカテゴリーは11種類ということだから、基本色名が5種類、6種類の言語もあるに違いない。

前にもお話ししたように、日本列島は豊かな色彩に恵まれている。
にもかかわらず、基本の色名が4種類とは少ないのではないか?

たとえば、基本色に近接している緑や黄色は基本色に加えてもおかしくない。

身の回りの自然を観察してみよう。

野にも山にも緑があふれている。
黄色の花や蝶も珍しくない。

少なくとも自然物に関するかぎり、基本色の青よりも緑や黄色のほうがよほど身近なのだ。
青い葉っぱなどないし、青い花ができれば大ニュースになる。

それなのに「い」や「ま」のテストをすれば、緑や黄色は基本色に入れてもらえない。
青と緑は隣り合っているし相互に浸透してもいるけれど、わたしたちの目には見えない深い溝があるのかもしれない。

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