« 青と赤 | トップページ | 緑と象徴 »

2016年10月29日 (土)

赤と緑

血の色は赤い。
そして、血が流れる場合というのは大体ろくなことがない。
危険がいっぱいなのだ。

だから、「ここから先は危険だ、止まれ!」というメッセージを送るのに赤という色彩が用いられるのはとてもよくわかる。

さて、「危険」の反対は「安全」である。
そして、日本語では緑が安全を象徴している。

若い方はご存じないだろうけれど、むかし毎朝通学路に立って交通整理をする中年女性たちがいた。
彼女たちは「みどりのおばさん」と呼ばれていた。

JRの一等車が「グリーン車」なのも、予約券販売コーナーが「みどりの窓口」なのも、安全をアピールする鉄道会社ならではのネーミングだ。

こう考えると、「ここから先は安全だ、進んでもいいよ」というメッセージを送るのに緑という色彩が用いられるのもとてもよくわかる。

なのに、どうして緑信号でなく青信号なんだろう?
以前ご紹介した定説の答えは、よく考えて見るとあまり説得力がない。
この問題、簡単にかたがつきそうにない。

「あか信号」、「あお信号」というほうが発音しやすい、という音声上の理由があるのだろうか?
たしかに、どちらも2音節で「あ」という母音から始まる。
音感的には対照的である。

「あお信号」のかわりに「みどり信号」をもってくると、この音感的対照性が崩れてしまう。
語の意味ではなく、音感的理由によって「あお信号」が採用されたのかもしれない。

さて前回、赤の反対は何色だろうという疑問が話題になった。
いろいろ候補が出たけれど、危険安全という対概念を考えれば緑も十分反対語の資格がある。

ただ世の中、そう一筋縄で物事が決着することは少ない。
たしかに街の交通信号では赤と緑になっているけれど、道路工事の場合の合図はどうだろうか?

交通整理をしているおじさんが持っている旗は赤と白である。

おじさんが赤旗を前に突き出しているのは、「対向車が来るからしばし止まれ」の合図だ。
そして、赤旗が降ろされさっと白旗を振る。
この場合、「進め!」の合図は緑でなく白なのだ。

どうして交通信号の場合と統一しないのだろう?
やはり赤の反対は白、という言語意識が交通信号を上回っているのだろうか?

交通信号の色づかいは世界共通とのことだ。
他の言語圏では「緑信号」問題はないのだろうか?

|

« 青と赤 | トップページ | 緑と象徴 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 青と赤 | トップページ | 緑と象徴 »