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2015年2月 1日 (日)

国と邦

ソシュールの忠告に従って、言語の起源をうんぬんするのはもうやめよう。
私だって人生を棒にふりたくない。

もう少し軽い話題を取り上げたい。
以前、「和と邦」というタイトルで一文をエントリーしたことがあった。

どちらの字も日本を意味しているけれど、その使い分けのルールはいかに?
という内容だったと記憶している。

「邦」という漢字は、「ほう」という音と「くに」という訓を持つ。
「くに」という訓を持つ漢字はもうひとつ、「国」というのがある。

辞書によれば、「邦」のほうがやや大きな「くに」を意味するとのことだが、まあほとんど同じといっていい。
「川と河」に似ている。

「邦」は日本という意味を持っているけれど、「国」にはそんな意味はない。
「本邦」といえば日本を意味するけれど、「本国」とはその人の属する国のことだ。
もっとも、「国語」や「国学」など若干の例外はある。

「木と樹」もそうだけれど、漢字にはほとんど同じ意味なのに全く別の漢字が存在することが珍しくない。

なぜわざわざ苦労して別の文字を作ったのだろうか?
興味はあるが、調べはじめると面倒になりそうなのでここは軽くパスすることとしよう。

人名への採用という点では、「邦」のほうに軍配が上がりそうだ。
葦原邦子さん(むかし宝塚のスターだった人です)や猪口邦子さんなどすぐに浮かぶ。
国子さんもいないことはないのだろうが、すぐには思い当たらない。

通常、「くに」という意味では「国」を使うほうが圧倒的に多いのに人名では「邦」のほうが好まれる。
なぜだろう?

「国」はよく使われすぎて手垢が付いているからだろうか?

以前エントリーした「丘と岡」でも似たようなことを言った。
通常、「おか」という意味では「丘」を使うほうが圧倒的に多いのに、日本人の姓では「岡田さん」や「西岡さん」など「岡」のほうがよく使われる。
「丘田」さんや「「西丘」さんには出会ったことがない。

日本人の人名という視点から、文字を観察するのもおもしろい。

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