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2014年8月23日 (土)

「な」の周辺

日本語の「な」という一音節語はなかなかに含蓄が深い。

辞書を引くとさまざまな語義が出ている。

まず、これまでさんざん話題にしてきた「名前」。
「有形・無形の事物を、他の事物と区別して言語で表した呼び方」とある。

つまり言語の基本的な機能である分節機能のことを言っている。
人名、地名、山の名、川の名はじめあらゆる事物に「な」が与えられて、この世界の分節が行われる。
「な」はことばの本質に直結しているのだ。

もちろんこの「名前」から派生して「名誉」や「名分」などの意味も生まれる。

次に「文字」。
漢字は真名、本当の文字、仮名はかりそめの文字、なんて使い方をする。
文字は言語表現の有力な手段だから、これは第一の語義としっかり結びついている。

第3に、魚や野菜つまり食べ物一般。
これがないと人間は生きてゆけない。

第4に、「わたし」転じて「あなた」。
人間関係の最も基本的なあり方をあらわす語だ。

その他「何?」という語義もある。

こうしてみると、「な」という一音節語は人間や言語にとって途方もなく重要な意味を有していることが分かる。

英語なら「名前」と「文字」と「食べ物」と「わたし・あなた」はまったく異なる語であらわされる。
他の言語ではどうだろう?

いずれにせよ、「な」が人間存在に直結する複数の重大な意味を持っている、という事実はとても興味深い。

「名前」、「文字」、「食べ物」、「わたし・あなた」は無関係ではない。
どこかでつながっている気がする。
これらの意味が「な」という同じひとつの音節に包含されるようになったのは単なる偶然ではあるまい。

「な」の根源的な意味はなんだったのだろう?
語源学的に調べていけば、何か分かるだろうか?

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