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2014年6月 8日 (日)

村と町(その3)

のどかな田んぼが広がっている。
その一角に農家が何軒か集まっている。
集落のはずれには鎮守の森も見える。

これが「村」の大体のイメージ。

「町」はその集落が大きくなり、機能分化もすすんでさまざまな商店や仕事場があるところ。
ただ、前々回もお話ししたように「町」という文字の中には「田」がある。
「村」との連続性はまだ保たれているのだ。

これが「街」になると、「田」がすっかり姿を消してしまう。
農村的要素はどこにも見当たらない。
街をゆく娘さんたちはみなおしゃれである。

「都会」という漢語がある。
「街」とほぼ同じ意味かもしれない。

「都会」と対をなす語として「田舎」がある。
「都会」とちがって古くからある和語である。

そして「田舎」という表記は一種の熟字訓である。
「いなか」は「村」と同じではないにしろ、田んぼや米づくりと縁が深い。

「都会」と「田舎」は生活文化の上で何かと対比される。
そんな時、「田舎」はどうしても旗色が悪い。

都会はおしゃれで洗練されている。
一方、田舎は野暮ったくて粗野。
そんなイメージが定着している。

本当は田舎にもいいところがたくさんあるのだけれど、それをさりげなく嫌みなくアピールするのが苦手なのだ。
だから、若い人たちは「都会」にあこがれる。

「都会」と「田舎」の対比、昔ふうにいえば「みやこ」と「ひな」だろうか?

天離る鄙の長道ゆ恋ひ来れば明石の門より大和島見ゆ…。

人麻呂はすでに若い人ではなかったかもしれないが、やはり都が近づいて心躍るのを抑えきれなかった。
明石海峡にほど近い私の家からは今日も畿内の山々がかすんで見える。

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