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2014年6月 1日 (日)

村と町(その2)

「村」は「そん」という音と「むら」という訓を持つ。
同じように「町」も「ちょう」という音と「まち」という訓を持つ。

では、「ちょう」と「まち」はどのように使い分けられているのだろうか?

たとえば「温泉町」という表記に出会ったとする。

これを「おんせんまち」と読めば、温泉旅館が数多く立ち並んだ様子を思い浮かべる。
全国各地にある温泉観光地を意味する普通名詞である。

しかし、「おんせんちょう」と読めば兵庫県北部にある地方公共団体の名称になる。
ただし、この「おんせんちょう」は平成の大合併によって北隣の浜坂町と一緒になって「新温泉町」になった。

付言すると、この「しんおんせんちょう」には湯村温泉という本当の「おんせんまち」もある。
ややこしくて申し訳ない。

では、普通名詞の場合は「まち」と読み、固有名詞の場合は「ちょう」と読むのだろうか?
ところが、事実はそうではない。

東京のJRには「信濃町」や「御徒町」という駅がある。
ひらがなの駅名表示は「しなのまち」、「おかちまち」となっている。
固有名詞だからと言って「ちょう」になるわけではない。

では、「しなの」や「おかち」が和語だからそれに引きずられて「町」も「まち」と読むのか?
ところがそうでもない。

たとえば日本橋蛎殻町はふつう「かきがらちょう」と呼んでいる。
神田岩本町は「いわもとちょう」と呼んでいる。
前が和語でも「町」は「ちょう」になる。

結局「ちょう」と「まち」の使い分けもルール不在の世界なのだ。
少し前に「○○山」を「やま」と呼ぶか「さん」と読むかで話題になったけれど、あの場合と同じである。
欲求不満は募るけれど、「慣用」で引き下がるしか仕方がない。

「村」の場合は、「町」ほどの混乱はない。
固有名詞の「○○村」について、「○○そん」と読ませるところもないではないが、ほとんどは「○○むら」と呼ぶようになっているようだ。

ウィキペディアには次のような記述がある

「村」の読み方を「そん」「むら」のどちらに定めるのかは各自治体で規定しており、鳥取県ほか4県では「そん」で統一、その他の都道府県では「むら」で統一されている。

自治体で規定、とは「村」を「そん」と読むべしという条例でも制定されている、ということだろうか?
本当に漢字の読み方を法令で規定しているのだろうか?

いささか信用しがたい記事である。

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