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2014年5月25日 (日)

村と町

わたしたちの川旅もだいぶ下ってきたようだ。
人家もずいぶん目につくようになった。

人の気配に何となくほっとする。
長く孤独な旅を続けていると人恋しくなるものだ。

人間は群れて暮らす習性がある。
だから「むら」をつくって暮らす。

その「むら」が大きくなると「まち」になる。
どこまでが「村」でどこからが「町」なのか、「川、河」、「林、森」と同じくその境界ははっきりしない。

むろん地方自治法の上では、はっきりした基準がある。
しかし、わたしたちが「村」や「町」と言う時、そんな法律上の基準はあまり念頭にない。

村はさびしくて不便なところ。
町はにぎやかで便利なところ。

ふつう、そんな感覚的イメージを伴ってわたしたちは「村」、「町」ということばを使っている。

「まち」にはほかに「街」という文字もある。

意味は同じとは言えない。
「街」は「町」のなかでももっとピンポイントで繁華な一帯を指しているのではないか?
「商店街」や「オフィス街」、「街頭」というような用例に接するとそう思う。

「町」はその文字の中に「田」を含んでいる。
水田の面積も「1町」、「2町」という。
つまり、「町」はまだ農村的要素を内包しているのだ。
「町」と「村」は依然つながっている。

その点、「街」には農村の面影はまったくない。

「村」はさびしいけれど、日本人の姓にはよく用いられる。
「村山さん」、「村田さん」、「田村さん」、「北村さん」、「下村さん」、「中村さん」…。

こうして多数の例を挙げることができるのは、「むら」が人の集住形態の基本だからだ。

「村」ほどではないけれども「町」も人名に使われている。
「町田さん」、「町村さん」、「大町さん」…。

しかし、「街」が人の名に使われることはほとんどない。
「街」ははなやかでにぎやかだけれど、人とのつながりは案外薄いのかもしれない。

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