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2014年3月29日 (土)

湖と沼

山に降った雨や雪は、谷に集まり川となって流れ下る。

山中では流れは急である。
ところどころに淵や瀬を作りつつ、ひたすら下界を目指して流れてゆく。

やがて川は野に躍り出て、水勢はようやく落ち着きを見せることになる。
こうして前回もお話ししたように、川は海に注ぐまでの間に目まぐるしい動きと変化を見せるのが特徴だ。

しかし、陸地にはあまり変化のない静かな内水面もある。
湖や池や沼といった水たまりである。

いずれも陸地のくぼみに水がたまってできた地形である。

大きな水たまりを「湖」といい、小さな水たまりを「池」や「沼」という。
ただし、「川、河」と同じように大小の境界がはっきりしているわけではない。
その区別はいい加減である。

とにかく大きな水面を日本語では「みずうみ」または「うみ」と言った。
たまっている水が真水なのか塩水なのかはあまりこだわらなかったようだ。
だから、琵琶湖で練習する三高漕艇部の部歌は「我はうみの子 さすらいの…」とうたっている。

これに対して、さほど大きくない水たまりを「池」または「沼」と呼んだ。
して、そのちがいは?

私などは「池」といえば近所の公園にある「○○池」を思い浮かべる。
休日には子ども連れがボート遊びをしている。

これに対して「沼」といえば深い森に囲まれた神秘的な「○○沼」を連想する。
時折かっぱがほの暗い水面から顔を出したりする。

人の暮らしとの親疎が、「池」と「沼」を区別する基準なのだろうか?
そういえば讃岐の「満濃池」も弘法大師が築造したため池だし…。

ただ、これは私の個人的な語感をたよりにした区別に過ぎない。
いくつかの辞書にもあたってみたけれど、納得のいく説明にはお目にかかれなかった。

このところ毎回登場する漢字インストラクターは、講習会で「湖」、「池」、「沼」という三つの漢字を示して何と説明しただろう?
ぜひ聴講してみたかった。

ところで、「山岳」や「河川」と同じく「湖沼」ということばもある。
これが、内水面全般を意味する漢語である。

なぜか「池」が仲間外れにされている。
「湖池」でも「池沼」でもない。

ということは、「沼」が「池」も代表しているということだろうか?
「池」よりも「沼」のほうがえらいのだろうか?

わたしたちの暮らしに寄り添って何かと役に立ってくれている「池」が河童などが出没する「沼」よりも格下、というのは納得のいかないことである。

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コメント

コメントありがとうございました。
たしかに「深くない」というのは沼の特徴のような気がしますが、「水深5メートル以内」という基準はだれが決めたのでしょう?湖沼学会の定義でしょうか?
水深を実測した結果、「じゃあ、印旛沼と名付けよう!」という成り行きではないと思うので、名付けに関しては依然として曖昧さが残りそうです。

投稿: しおかぜ | 2014年4月 3日 (木) 13時21分

今日は。はじめてコメントいたします。
「大辞泉」には、「池」は「くぼ地に自然に水がたまった所。また、地面を掘って水をためた所。ふつう湖沼より小さいものをいう。」とあります。「沼」は「湖より浅い水域。ふつう、水深は5メートル以内で、フサモ、クロモなどの水中植物が繁茂する。」とあります。‥‥つまり、内陸にある水域のもので、大きい順に湖>沼>池だということになるでしょうか。そして湖と沼は水深5メートルで分けられるようです。‥‥“ふつう”というのが曖昧で、これは「大辞泉」の決め事でしょうね。
私は、昔の人が「うみ」と呼んだものが「湖」、「ぬま」と呼んだものが「沼」で、共に自然が作ったもの(この差は“大きさ”からだろう)。これに対し、人工的なもの(従って藻など生えてない)を「池」としたという気がしています。(もちろん独断です!coldsweats01sweat01

投稿: 平戸皆空 | 2014年3月29日 (土) 18時54分

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