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2014年3月 3日 (月)

「やま」と「さん」(その2)

六甲連山のそれぞれのピークには「○○山」という名前がついている。
そして、その「山」は「やま」と呼ぶことが多い。

しかし、「日本百名山」に登場する「○○山」は「さん」と呼ぶ方が多数派になっている。
剣山や天城山のように「○○」の部分が訓読みでも「さん」と呼びならわしている。

と、ここまでは前回お話しした通りだ。

ただ、「山」の部分をどう読むかはいささか流動的だ。

上で「日本百名山」では「さん」が多数派、と言ったのは手元にある「日本百名山」のガイドブックに示されたふりがなに従ったからである。

しかし、このガイドブックの読み方には異議がないでもない。

たとえば、四国の「石鎚山」には「いしづちさん」とふりがなが打たれているけれども、私などはこれまで「いしづちやま」と呼びならわしてきた。
みなさんはどうだろうか?

東北の岩木山や岩手山や早池峰山もみな「さん」とふりがなが付されているけれども、「いわきやま」や「いわてやま」、「はやちねやま」でもおかしくない。
地元の人でも分かれているのではないだろうか?

そもそも「山」を「やま」と読むか「さん」と読むか、どちらが正しいかなんて誰も決めることはできない。

くだんのガイドブックには、大和の大峰山には「おおみねさん」とふりがなされているけれども「おおみねやま」と呼んだところで別に罪にならない。
こんなのは多分に好みの問題に属する。

思うにこのガイドブックをはじめ社会一般に「さん」と呼ぶことが多いのは、人名に「さん」をつける習慣とどこかつながっているのではないか?

「山田さん」、「山中さん」、「上山さん」などと呼びかける。
人名だけでなく、寺社に対しても「住吉さん」、「金毘羅さん」「お東さん」などと親しみをこめて呼びかける。

もともと人は山は対しては人格や神格を認めやすい。
だから、つい「○○さん」と呼びかけてしまう。

「山」の字音である「さん」と呼びかけの「さん」は来歴がまったく異なるけれども、思わぬところで合流したのかもしれない。

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