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2014年1月 6日 (月)

夜空の漢字たち

前回は万華鏡からの連想で漢字のスペクトルを作成して1年を締めくくった。
漢字にも光学的処理ができることが分かったのはわれながら大きな収穫だった。

スペクトルには直線的、科学的なイメージがある。
しかし新年はちょっぴりロマンチックな気分に浸ってみたい。

漢字はかなやローマ字とちがってとびきり数が多い。
康煕字典には5万近い漢字が収録されている。

まるで夜空にまたたく無数の星のようだ。

その一つひとつが個性を持っている。
日本語環境に適応するために身につけた個性である。

きらびやかに日本の夜空を彩る漢字たち。

「愛」によう誇らしげに強い光を放つ星がある。
かと思えば「扱」のようにかぼそい光を控えめに投げかける星もある。

あのシリウスのようにぽつんと青く発光しているのは「感」だろうか?
そして、やわらかく暖かなオレンジ色の光を放っている星は「恋」だろうか?

漢字の数の多さは頭痛の種だけれど、こんな楽しみ方もある。

ところで宇宙には星と星とが結びついてまるでひとつの天体のようにふるまう現象がある。
連星という。

漢字の世界で言えば、熟語に当たる。

熟語の例は「感覚」、「恋愛」、「信念」などこれまた数えきれないくらいある。
「仕事」、「荷物」、「友達」などは純然とした漢語ではないが、多分に日本語的変形を受けた熟語だ。
さらに、「気持ち」、「夜明け」、「買い物」になると一段と日本語化が進んだ熟語と言える。

こうして熟語の分野でも日本語環境への適応の仕方によって豊かなバラエティが生まれている。

熟語という連星もまたさまざまな色と光で日本の夜空にいろどりを添えているのだ。
見あきることのない漢字の夜空である。

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