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2013年11月17日 (日)

「き」と「け」(その2)

「気」を「け」と読む場合の「け」は音読みなのか訓読みなのか?

というのが前回取り上げたテーマだったが、結論を得るには至らなかった。

よく考えてみれば、日本語の「け」という1音節はなかなか微妙な位置に立っている。

まず「け」という和語が存在するのはたしかなことだ。
その証拠に頭の上には髪の「け」が生えている。

「家にあればけに盛る飯を…」という古歌もあった。

ハレとケ、という対概念は民俗学でおなじみだが、この場合の「ケ」も和語だと思う。

では、「もののけ」はどうか?
漢字表記なら「物の怪」となる。

どうもこのあたりから、「気」の存在がちらほらしてくる。
「気」の語義の8に「あたりにみなぎる感じ」というのがあった。
なんとなく「もののけ」とつながりがありそうな気がしませんか?

辞書によれば「怪」を「け」と読むのは呉音だという。
つまりこの場合の「け」は字音語であって、和語ではないことになる。

でも何となく納得しがたい。
「ものの」までが和語で、「け」だけ漢語だというのもおかしい。

さらに、「けがれ」はどうか?
漢字では「汚れ」、「穢れ」などと表記する。

しかし、この語の原義は「気枯れ」だという説がある。
生命力の衰えだという。

ここまで来れば、「気」本来の意義にかなり接近してくる。
この場合の「け」は「気」の語義4に当たる。

つまり「け」は純粋な和語から、「気」の音読みが疑われるところまで連続的に分布している。
どこまでが和語でどこからが漢語なのか、線引きがむずかしい。

まるでぬえのような音節だ。

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