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2013年9月 6日 (金)

「おじ」と「おい」

ここしばらく親と子、祖父と孫、そして兄弟姉妹という親族関係について、日本語でどのように表現されているか、という点に関心を注いできた。

ここまで来たからには、叔父ー甥の関係も片づけてしまおう。

準拠するのはまたまた親子関係である。

年少者から見た場合、「ちち」に対応するのは「おじ」である。
「おとうさん」に対応するのは「おじさん」である。

「おやじ」に対応する語はない。
「あにき」と同じように「おじき」という言いかたもないではないが一般的ではない。

そして「あにき」が「あに」の流用であるのと同様に「おじさん」も「おじ」の流用である。

つまり固有の語としては「おじ」しかない。
父をあらわす語が「ちち」、「おとうさん」、「おやじ」と3種もあってこまやかに使い分けられるのに比べて、どことなく投げやりな感じがする。

やはり親子というただならぬ関係に比べて、叔父・叔母ー甥・姪の関係は「おじ」、「おば」ひとつで片づけられる気楽な関係なのかもしれない。

その点では、祖父母―孫の関係に似ている。

ただし、祖父母は孫の性別には関心がない。
「男の孫」、「女の孫」をあらわす固有の語はない。
孫はただただ可愛い、男でも女でもどっちでもいいのだ。

その点、叔父さんや叔母さんは「おい」、「めい」と律儀に性別を分けている。
このことを考えると、叔父・叔母ー甥・姪の関係のほうが祖父母ー孫の関係よりも濃密なのだろうか?

ところで、「おじさん」と「おじいさん」は音韻的にきわめてよく似ている。
「おばさん」と「おばあさん」もよく似ている。

日本語のモーラに不慣れな外国人学習者はこれで苦労する。
なかなか区別ができないのだ。

「おじさん」と「おじいさん」、「おばさん」と「おばあさん」の間には語の成立に関して何か深い関係があるのだろうか?
それともこの類似は単なる偶然だろうか?

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