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2013年9月16日 (月)

「ちち」と「ファザー」

三位一体論から流れ流れて話が親族呼称に及んだ。
親子、兄弟、祖父と孫、叔父と甥など親族関係をあらわす語をあれこれあげつらってきた。

親族関係ごとに規則的な対応関係があったりなかったり。
おおむね和語なのに、なぜか「祖父」という漢語がぽつんとあらわれたり。
また同じ親族呼称でも呼びかけに使える語と使えない語があったりした。

と、ここまでは日本語の世界でのお話し。

他の言語、たとえば英語では、中国語では、ミャンマー語では、マジャール語ではどうなっているのだろう?
日本語と比較することでまたおもしろい現象が見つかるかもしれない。

ためしに私が知っている唯一の外国語、英語の場合はどうか?
ここでもやはり「ちち」、「おとうさん」、「おやじ」に準拠してみよう。

「ファザー」が「ちち」に対応するだろうことは何となくわかる。
他人に対して自分の父親に言及するときは「マイファザーうんぬん…」と言うのだろう。

では、身内での呼びかけはどうだろう?

たとえば、65歳の息子が同居している88歳の父親に「お父さん、今日は身体の具合いかがですか?」と語りかける場面。

「お父さん」と呼びかける部分は「ファザー」だろうかそれとも「パパ」だろうか?
まさか「ダディ」ではあるまいと思うが…。

はたまた「おやじ」のニュアンスに相当する言いかたもあるのだろうか?
そこらへんの使い分けの実態が知りたい。

さらに世代を遡って「おじいさん」についてはどう言うか?
「グランドファザー」もしくは「ぐらんぱ」か?

日本語の「おとうさん」と「おじいさん」はまったく独立した別のことばだけれど、英語では「ファザー」や「パパ」に「グランド」という形容詞をかぶせるだけで片づけている。

ことばの用い方という観点ではやや軽く見られているという感がしないでもない。

そういえば日本語の「あに」と「おとうと」もまったく独立した別のことばだけれど、英語では「ブラザー」に「年上の」、「年下の」という形容詞をかぶせるだけで片づけている。

自分の兄弟に言及する場合、ことさら「年上の」、「年下の」という形容詞をかぶせない場合もあるという。
日本語の感覚からすればずいぶん不便な気がするけれど、英語の世界ではこれですませても問題がないのだ。

というわけで日英両語を比べるだけでも、親族関係のとらえかたに違いがあることが分かる。
世界の諸言語を幅広く比較検討してみれば、きっとおもしろい現象が発見できるにちがいない。

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