« ことばと意味(その17) | トップページ | 固有名詞と意味 »

2013年6月 8日 (土)

ことばと意味(その18)

いま、ことばと意味をめぐる長い長い悪戦苦闘から解放されて、ひととき安らいでいる。

しかし、根が貧乏性なのでそんな安らぎの中でいつまたつまらぬ疑問が頭をもたげてこないとも限らない…。

と思ったら案の定、変な疑惑がわいてきた。

私は「直感」というウルトラCを持ちだすことでなんとか思考の袋小路から脱出したのだけれど、この「直感」はひょっとして「直観」のほうがふさわしかったのではなかったのか…?

これまでは特に深い考えもなくワープロの第1候補にあがっていた「直感」を採用したのだけれど、これでよかったのだろうか?

なにしろ「ちょっかん」は混迷した事態を打開するための起死回生のキーワードなのだから、この問題はいい加減にやり過ごすわけにはいかぬ。

さっそく広辞苑で調べてみる。

「直感 説明や証明を経ないで物事の真相を心でただちに感じ知ること」

「直観 一般に判断・推理などの思惟作用の結果ではなく、精神が対象を直接に知的に把握する作用。直感ではなく直知であり、プラトンによるディアレクティケーを介してのイデア直観、フッサールの現象学的還元による本質直観等」

広辞苑は「直感」と「直観」は違うのだと言っているけれども、どこが違うのだろう?

「判断・推理などの思惟作用の結果ではなく」というのは「説明や証明を経ないで」と同じ意味ではないか?
「精神が対象を直接に知的に把握する」というのは「物事の真相を心でただちに感じ知る」と同じ意味ではないか?

「直観」は「直感」に多少哲学的味付けを施しただけのように思える。

「直感」における「感」は触覚や味覚のような生理的な五感ではない。
ひとつ次元の高い第六感の世界で作用している。

そうした人間生理を超越した次元での認識作用を「観」というんじゃないの?

広辞苑には悪いけれど、「直感」も「直観」も文字は違っても意味は同じなのだ。
つまり、表記としては「直感」でも「直観」でもさしつかえなし。

とはいえ、「直感」も「直観」も現役で活躍している。

わたしたちは「直感」でことばの意味を了解している。
わたしたちは「直観」でことばの意味を了解している。

さて、どちらがこの文でふさわしいか?
国民投票にかけたらどちらに軍配が上がるだろう?

またその開票結果をどう解釈すべきだろう?

悪戦苦闘から解放されて気が楽になったせいか、ついこんなことを考えた。

 

|

« ことばと意味(その17) | トップページ | 固有名詞と意味 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« ことばと意味(その17) | トップページ | 固有名詞と意味 »