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2013年1月12日 (土)

頭としっぽ(その7)

新年にあたって、日本晴れの空を見上げよう。

するとそこにはぽっかり浮かぶ白い雲。

さっそく素朴な疑問がむくむくと頭をもたげてくる。

「空」には接頭辞「お」を冠することができる。
「青いお空のその向こう…」

しかるに、「雲」に「お」を冠して「お雲」ということはできない。

なぜ…?

日が暮れて夜空に月がかかり星がまたたきはじめる。

「月」や「星」には接頭辞「お」を冠することができる。
のみならず、接尾辞「さま」を伴う。

「お月さま」、「お星さま」。

しかるに、「お空」とはいえても「お空さま」とはいえない。

なぜ…?

山なみは遠くに連なり、ふりかえれば青い海が広がっている。

「山」には接頭辞「お」を冠することができる。
「六根清浄、お山は晴天…」

しかるに、「海」に「お」を冠して「お海」ということはできない。

なぜ…?
「山」のほうが「海」よりもえらいとでも?

ふと気がつくと、庭先に山茶花の赤い花が咲いている。

「花」には接頭辞「お」を冠して、「お花」という。
しかるに、そのそばに茂っている「草」には「お」を冠することができない。

月雪花と人はいう。
しかし「お月さま」とはいえても「お花さま」とはいえない。
「雪」にいたっては「お」も「さま」もつけることができない。

なぜ、なぜ…?

動物園の猿を見てこどもは「おさるさん」という。
しかるに象に対しては「ぞうさん」と呼びかける。

なぜ、象の場合は「お」が欠落するのか?
この場合の「お」はどんな働きをしているのか…?

こうして、接頭辞「お」と「さま」系接尾辞は連携してこの世の森羅万象にかかわっている。

昨年来、私は接頭辞と接尾辞の森をさまよっている。
ことばの神さまが棲むというこの森はあくまでも奥深い。

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