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2010年5月 9日 (日)

地名と漢字表記(その3)

黒船来航を伝える嘉永6年の新聞には、アメリカは「亜墨利加」と表記されていた。

その後しばらくして、「亜米利加」の表記が定着する。
このワープロでもそのように変換される。

アメリカのことは日本では「米国」だけれども中国では「美国」になる。

つまり、外国地名の漢字表記といっても一義的に決まるわけではなく、幾通りもありうるのだ。

だから私だって考案することができる。

たとえば、イギリスを「英吉利」と表記するのはいかにも苦しまぎれの感じがする。

「亜米利加」にせよ「英吉利」にせよ「仏蘭西」にせよ、字音を当てる方式である。
つまり万葉仮名風の表記ですね。

しかし、幸い日本の漢字には訓読みや熟字訓があるから、これを使う手もある。
前々回、例にあげた北海道の地名はこの方式を採用している。

私の案は「異議栗鼠」である。
「英吉利」よりは素直に読めると思うのだが、いかがだろう?

「異議申し立てをするリス」なんて、何となく童話的でかわいい。
シャーウッドの森に住んでいそうな気がする。

たわむれはさておき、「英吉利」や「紐育」といったいかにも無理筋の表記がそれなりに定着したのはどうしてだろう?

いつだれが考え、どのように広まっていったのか?
一度そのプロセスを検証してみたい気がする。

中国の空港に行くと、当然のことだけれど都市名がぜんぶ漢字で表記されている。

これがわからない。

「馬尼拉」あたりはなんとか想像がつくとしても、「維也納」になるともうお手上げだ。

世界の地名や人名は無数にある。
そして、グローバル時代の今日、新しい地名や人名を表記する必要は次から次へと出てくる。

それを全部漢字で表記できるのだろうか?
というのが私の素朴な疑問である。

たとえば「クアラルンプル」や「アゼルバイジャン」はどう表記するのだろう?

空港関係者はまだいいとして、一般の人々はこの問題をどう処理しているのだろう?
中国はこの難局をどのように乗り切っているのだろう?

政府の力が強いところだから、必要があるたびに国務院が表記を制定・公示して全国に行き渡らせているのだろうか?

中国政府の国語政策担当者にぜひお聞きしたいところである。

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